某調査機関の発表によると、2016年3月卒の大学、大学院を対象にした就活で、採用を予定
している静岡県内企業の約8割が8月以降も選考を継続していることが分かりました。
前年同月比にして、20.7ポイントも上回ったそうです。
この数値に特に衝撃はありません。
なぜなら、既にこうなる予兆は昨年に見られたからです。
2014年9月21日の静岡新聞では、こう記されています。
静岡県内の大学や経済団体でつくる「しずおか産学就職連絡会」によると、2014年春の採用活動実態調査で、内定辞退者があった企業は45%に上った。従業員が300人以上の規模が大きい企業では7割に達し、内定辞退を最小限に食い止めることが課題という。
同じ時期、某大手人材会社の調査ではこう報告がありました。
8月1日時点の内定率は78.2%と前年を.2ポイント上回った。学生1人当たりの内定社数は
1.97社。複数内定者の増加を受けて辞退率も52.0%と6.8ポイント上昇した。
ですから、景気回復が進み、就職スケジュールが繰り下がった本年度は、昨年度以上に
内定辞退者が出ても不思議はありません。
内定辞退を防げなかったのは、その用意を周到にしてこなかった、あるいは事態をここまで
深刻だと予測できなかった企業側(採用担当者)にも原因があると思います。
私はこれまで↓の資料(一部)のようにセミナーや研修の場で、採用担当者に対して、
「採用活動は『全社挙げての営業活動』と位置づけるべきである」
「内定出したら終わりでなく、『内定後のリテンション(引き留め)活動こそ明暗を分ける』」
と言ってきました。
内定辞退者が少ない会社は、内定者懇親会、
職場見学会、社長室訪問、勉強会など、内定後のフォローをまめに且つしっかりとやっています。
企業は今こそ採用活動を見直さないと、来年も同じ目に遭うこと必至です。