続・就活指導体験記⑤

お隣の韓国では、受験シーズンが始まりました。
11月23日には、日本のセンター試験に相当する「大学修学能力試験」が
実施され、警察が白バイやパトカーで、遅刻しそうな受験生を会場に送
り届ける映像(↓の写真)がニュースで流れました。もはや、国を挙げての
イベントの感があります。

なぜ、ここまで韓国は大学受験にヒートアップするのか。
それは、学歴社会が根強く残っているからです。その原因をいくつか取り
上げます。

1つ目は就職率の低さ。
韓国の大学進学率は80%(フィンランドに次いで世界2位)なのに、大学を
卒業して正社員として採用されるのがわずか40%に過ぎません。ですから、
少しでも良い大学に合格しようとするわけです。
韓国では昨年来、過去最悪の「就職氷河期」に直面しており、15-29歳の
若年失業率が史上初めて10%を突破するほど深刻な状況が続いています。

2つ目は極端な賃金格差。
韓国の月給は、大企業では474万ウォン(日本円で約48万6千円)に対して、
中小企業は224万ウォンと実に2倍以上の差があります。つまり、大企業に
入れば、安定した生活が保障されるのです。

3つ目はエリート意識の強い国民性。
代々、韓国では、官吏制度と言って、知識がある人を高官に登用する制度が
ありました。ですから、知識を詰め込む大学受験に抵抗感はないのです。

4つ目は根強い儒教精神。
儒教では教育が何よりも大切だと説いています。また、親が子の面倒をみる
のは当たり前としています。そのため、わが子に幸せな生活を送ってもらい
たい親は、幼い頃から塾通いをさせ、子どももそれに応えようと必死に勉強
するわけです。

こうした韓国での生き方にストレスを抱え、日本の大学で学び、日本で就職
しようとする韓国人が最近増えています。

明日からは韓国人の就職事情を紹介していきます。

続・就活指導体験記④(留学生編 その3)

ベトナムから留学のために日本にやって来たWさんの続き。

この方の素晴らしい点は、旺盛な活動意欲です。
大学での勉強やゼミ活動は勿論、それ以外にも、アジア文化紹介公開講座、
御前崎市ホームステイ、ホームビジット交流会、大谷崩れ記念植樹活動と
いろいろな交流活動に参加しました。また、ふじのくに留学生親善大使に
選ばれて、母国と日本の架け橋として、静岡県の魅力を発信する活動にも
取り組みました。

「ふじのくに・・・」はイメージできると思いますが、静岡県民でなければ、
「御前崎ってどこ?」「大谷崩れって何?」と分からない方も多いでしょう。

【郷に入れば郷に従え】まさにWさんはこの諺を実践しました。

外国人留学生が日本の文化や生活様式を知り、日本人とうまく意思疎通を図る
ためには、大学だけでは不十分だと考えます。
Wさんのように、積極的に地域活動に参加して、地域の人々と交流することで、
その土地の伝統や慣習を肌で体感できるからです。

Wさんの場合、これに加えて、もっとスゴイ活動(?)もしていました。

それは、知り合いの司法書士の事務所でのアルバイトでした。そのため、登記
簿謄本を読んだり、法律関係の書類に目を通したりしました。
聞いたことのない氏名や地名を見つければ自分で調べたり、難解な法律用語が
現れればを辞書で確認したりするなど、アルバイトでありながら、勉強を欠か
せませんでした。

本当にWさんは、日本人も見習うところが多い学生生活を過ごしていました。