ブラック企業は会社を潰す!?

ワタミグループの居酒屋「和民」に入社して、過労死が原因で自殺した女性(当時26歳)の
両親が起こした訴訟で、創業者(当時社長)が一転して、その責任を認めて、この度、和解
が成立しました。

「24時間死ぬまで働け」
この社長の言葉は単に”ゲキ”だったのが、それとも本心だったのか。1ヶ月141時間もの
残業を強いられてきた背景に何があったか。裁判でその実態が明らかになりました。

・店の営業は深夜に及び、終電がなくなったら、始発まで店内で待機した。
・仕事を終えて深夜帰宅した同じ日に本社で早朝研修(理念集の丸暗記)があり、満点を
を取るまでテストが繰り返された。
・休日にはボランティア研修との名目で、社長の著書を読んで感想文を書く課題があった。

当初、会社側は「任意参加なので業務外」と主張していましたが、裁判でこれらはすべて
労働時間だと認められ、本人とは別に同期入社の未払い残業代も遡及支給されることが
決まりました。
その結果、ワタミは会社と創業者本人による連帯責任が課せられ、約1億3千万円の
賠償金の支払いを余儀なくされました。

この訴訟をきっかけに「ワタミ=ブラック企業」のイメージがつきまとい、2015年3月期、ワタミ
は創業以来初の赤字(最終損失126億円)に陥りました。今もなお、従業員離れ⇒顧客離れ
⇒採用応募者離れの悪循環が続き、信用を回復するのは至難の業だと言われています。

しかし、これはワタミに限ったことではありません。明らかな法令違反を繰り返したり、巧みに
法律違反逃れをしているような企業は必ずしっぺ返しがあります。

今回のように、「人」を使い捨て、使い潰しにしている会社は、社会からの制裁を受けpost-236[1]ることが示されたことで、経営者は襟を正すべきでしょう。

新卒一括採用は日本だけ!?

日本では当たり前の『新卒一括採用』ですが、世界的に見て、どうなんでしょうか。
実は『新卒一括採用制度』を導入しているのは、隣りの韓国くらいで、それ以外のアメリカ、
イギリス、フランス、ドイツなどの先進国はそうではありません。

例えばイギリス。企業説明会や面接時期などの取り決めは存在しません。企業は通年で
採用活動をしていますから、学生は自分の都合で入社時期を選択できます。その代わり、
自分から求人情報を探し出す必要があります。

ドイツでは、卒業後に就活を行うのが一般的です。また、正社員でなく、1、2年間の期限
付きの契約社員として採用されるケースがほとんどです。そのため、就活スケジュールが
どうのこうのという議論も起きませんし、”正社員神話”(働くには絶対に正社員しかダメ!!)も
聞きません。

アメリカが日本と大きく違うのは、”学歴”と”職務経歴”が重要視される点です。したがって、
学部生より大学院生の方が就職が有利となります。そして、職務経歴を積むために、学生
の間にインターンシップを経験して、レジュメ(自己PRシート)を作成しなければなりません。

日本の学生の失業率を低くしているのは、『新卒一括採用』のおかげだと良く言われます。
確かに2013年時点の若年者(15~24歳)の失業率は日本6.9%、韓国9.3%なのに対して、
アメリカ15.5%、イギリス21.1%、フランス23.9%と軒並み高止まりしており、データ上もそう
物語っています。

それでも、全国の就活生が一様にスタートラインに臨み、「よーいドン!!」と一斉に走ら
される~
“周りから強要されて行う”、”主体性の乏しい”~『新卒一括採用』はどうかと
思います。
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既に日本でも一部の大企業、有名企業がそうなりつつありますが、韓国が「サムスンの入社試験で10万人の学生が受験した」と報じたように過熱しなければ良いのですが。。。