松本日記:「体感年収」を考えてみては。。。

先日、慶應義塾大学2年生、立教大学3年生の学生さんとお会いしました。
今年入庁したばかりの公務員の方と私と同じ年齢の銀行員の方と会ってもらって、仕事内容は勿論、給料、休日、福利厚生などの処遇の違いについて、リアルに比較してもらいました。

やり取りの最後で私が発した言葉が「体感年収」。

例えば、年収1,000万円稼ぐAさんと年収700万円をもらうBさんとはどちらが良いですか?

Aさんは、毎日遅くまで残業で、平日はとても家族と夕食など共にできません。
休日出勤も日常茶飯事。しかも、ノルマはきつい。

一方、Bさんは、残業はあるものの、家族と夕飯を一緒に取れる時間に帰ることができます。
また休日もきちんと休めます。
目標数値は与えられていますが、ノルマで追い込まれることはありません。

Aさんが銀行員、Bさんが公務員と決めつけているわけではありません。

長く働くには、「年収が高い」だけではムリがあるということです。

私も50歳。友人の中には、年収2,000万円を稼ぐ外資系ディーラーがいます。
しかし、毎日パソコンの電源を入れる度に「You are fired!!(おまえクビだ!!)」
とメールが届いていないかとビクビクしているそうです。

また年収600万円の友人は、物価の安い地方に住み、image140816-thumb-140x140
通勤時間も僅か20分のところにあるIT企業に勤務しています。

 

「動画」によるエントリーは普及するか!?

「応募はエントリーシートでなくても構いません。動画でOKです」
こんな会社があったら学生さんはどう思うでしょうか?

昨年末、開設された動画就活サイト”レクミー”には、
約100社の企業、約1千人の学生の登録があったとのこと。
1枚のエントリーシートを書き上げるのに四苦八苦している学生さんにとっては、耳よりの話かも知れません。

「自分撮りした動画」は1分程度とか。仕組みはこうです。

・企業がテーマを出す。(※はLINEが実際に出した課題)
・学生はスマートフォンやパソコン内蔵カメラを使って、
そのテーマに即した動画を撮影する。
・それを”レクミー”に投稿する。
・企業は「会ってみたい」学生に連絡して、面接に呼ぶ。

※LINEの課題
「2020年」「インターネット」「わたし」の3つのキーワードをもとに、2020年の状況を想像して、そのお考えを述べてください。(45秒前後)

膨大な数のエントリーシートが届き、
それを読むのに大変な思いをしている採用担当者には、
「動画は効率的」「動画だと学生の素が分かる」と好評のようです。

しかし、わずか1分の動画で、面接に呼ぶ・呼ばないを判断して良いものか疑問が残ります。

なぜなら、「動画エントリー」は、飲食店のアルバイトを採用する場合なら、
それなりに理解できますが(文字では伝わらない部分が合格基準になることが多いため)、正社員として新卒を採用しようとするには、
どうも手を抜き過ぎている感が否めないからです。

1分ではコミュニケーション力は見抜けないでしょう。
(せいぜい、プレゼンテーション力)

今の学生は、面接で、深く質問をされたり、
ちょっと視点を変えて聞き直されたりすると、しどろもどろになってしまいます。

140文字のTwitterやLINEのスタンプで、
言いたいことを一方的に伝えることはできても、
文字や言葉を使って、相手と感情を共有しながら、
論理的に伝えるスキルは低下しています。
動画エントリー
こうした「動画エントリー」が普及すれば、
企業は「コミュニケーション力」を
選考基準から外した方が良いと思います。