ユニークな「業界研究」

次のようなユニークな切り口で、「業界研究」を行った就活生がいま
したので、
紹介します。

①「海外で働けるチャンスが多い業界」を探したい。
②「給与ができる限り高い業界」を調べたい。
③「他のどこもやっていない商品を扱っている業界」を見つけたい。

①の就活生はどうやって、「業界研究」をしたか。
私が最初に伝えたのは、「海外勤務者が多い業界(企業)」を調べてみて
くださいです。

商社がそうだということは、想像に難くないと思いますが、メーカー、
中でも国際競争にさらされている自動車関連メーカーは海外で勤務する
社員数が圧倒的に多いことがわかります。
社員の比率でみると、海運業界、プラント業界が当てはまります。
そのうえで、新入社員の配属で、いきなり海外に行ける会社か、または、
入社3年以内に海外赴任できる会社かどうか調べてくださいと言います。

②は、「生涯賃金ランキング」「平均年収ランキング」「30歳時点の
年収ランキング」「1,000万円到達時の年齢ランキング」など、複数の
資料を見て、多角的にとらえるようにアドバイスしています。

なぜなら、大卒初任給は、大企業、有名企業だろうがそうでなかろうが、
どこも似たり寄ったり(最近では、50万円を出す日本商業開発、30万円を
支給するゲーム会社なども現れていますが・・・)なため、調べても余り
意味がないからです。

③は、シェア1位の商品やサービスがあるか調べてくださいと言います。

ただし、シェア1位と言っても、ダントツ1位(目安としては30%超)です。
トップシェアを誇るものがあることが分かったら、次にその理由を調べ
てくださいとアドバイスします。
それが商品力なのか、技術力か、独自のサービスか、はたまた、時代の
トレンドに乗っかっただけなのか理解できれば、それこそが「業界研究」
になります。

「業界研究」の括り方

では、「業界研究」を行ううえで、業界をどのように括れば良いか?

ピンとこない学生には、『会社四季報業界地図』に記載された区分けを参考
にしてください。
これには、「自動車・機械」「エレクトロニクス」「情報通信・インターネ
ット」「資源・エネルギー・素材」「金融・法人サービス」「食品・農業」
「生活用品」「娯楽・エンタメ・メディア」「建設・不動産」「運輸・物流」
「流通・外食」「生活・公共サービス」と12この大分類に分けられ、その中
でさらに細かな分類に区別されています。

聞き慣れた商品名や用語で区分されているため、興味のある”キーワード”を
きっかけとした「業界研究」ができると思います。

私が言いたいのは、業界の括り方にはルールなどないことです。

例えば、楽天とはどういう業界でしょうか。インターネット業界、あるいは
IT業界と簡単に片づけられるでしょうか。
「楽天市場」と呼ばれるショッピングモールも手掛けていますし、「楽天ト
ラベル」という旅行サイトも展開しています。オンラインの金融業者の側面
もありますし、ECサイトの運営だってやっています。

つまり、楽天の事業内容は綺麗に線引きされるものではなく、現在、着手して
いる事業を将来に亘って、ずっとやっている保証もありません。

これは楽天に限った話ではありません。
富士フィルムは、フィルム事業の売上はもはや全体の1%に過ぎず、それに代
わって、化粧品や食品などのヘルスケア事業が事業の柱になっています。

経済は生き物です。そのため、顧客のニーズや市場の動向に合わせて、会社は
既存事業から撤退したり、新規事業に進出したりして、事業ポートフォリオを
組み替える必要があるのです。

したがって、「業界研究」では、業界の括り方を気にすることなどありません。
大切なのは、むしろ、ざっくりと分けられた業界を眺めてみて、もっと調べて
みたい業界を探してみることの方です。