続・就活指導体験記⑥

外国人留学生に対する就活指導。
今回は、日本でなく、母国ベトナムで就職した女性3人についてです。

4年前に指導した方々で、同じ大学に通う仲良し3人組でしたが、それぞれ
勉強している分野は違っていました。

1人は、百人一首を勉強しており、中でも『悲恋』和歌を研究していました。
1人は、貿易の勉強をしており、特に通関業務について詳しく調べていました。
もう1人は、異文化コミュニケーションを学び、日本語の「すみません」の意味
と使い分けについて、研究していました。

当初、3人とも日本で就職したい希望を持っていましたが、なかなか思うような
結果が出ませんでした。
その理由は、日本人と同じ選考枠で受験したためです。
エントリーシートも筆記試験も日本人と同様の内容であるため、日本語検定試験
2級の彼女たちからすれば、四苦八苦の連続。また、面接も「将来、ベトナムに
帰らなくて良いか」など、日本で働くことを前提とした質問ばかりでした。

そのため、3人には日本での就職を断念して、ベトナムに帰って就職するように
勧めました。そして、やりたい仕事に就ける指導に切り替えました。

卒業後、3人からメールがありました。
1人は、旅行代理店に就職できたのこと。1人は貿易会社の秘書になったとのこと。
そして、1人は食品スーパーのスタッフとして採用されたとのこと。

日本で就職させられなくて申し訳ないと思っていた矢先、この連絡が舞い込んで
きて、胸をなでおろしたのを今でも覚えています。

続・就活指導体験記⑤(続き)

韓国留学生を指導した実績は数えるほどしかありませんが、その中の
一人で、某鉄道会社の経営企画室に就職した女性Cさんから、韓国と
日本の就活事情について比較してもらいました。

その話をいつくか紹介します。

「韓国と日本の共通点は『新卒一括採用』をしていることです。でも、
大学3年生の秋から冬頃から始める日本と違い、勉強が大変な韓国では、
卒業の目途が立つ大学4年生の後半になってからスタートする学生がほ
とんどです。」

「選考も日本と同様です。エントリーシートを提出して、筆記試験を
受験して、それから面接に臨みます。面接のスタイルは、プレゼンテー
ションやディベートが多いです。」

「英語はできて当たり前です。TOEIC800点以上なければ、大企業には
入社できません。最近では、英語と韓国語に加えて、もう一か国の外国
語が話せるトリリンガルを応募条件にする会社も珍しくありません。」

「書類審査もあります。大学の成績が優秀でなければ、応募も受け付け
てもらえません。」

「公務員の人気が凄いです。国家公務員だと倍率が100倍、200倍になり
ます。地方公務員はもっと競争が激しく、釜山・蔚山・慶尚南道・済州
の地区では、7人の定員枠に何と1万3,984人が募集して、倍率は800倍を
超えました。」

「ですから、日本で就職して、日本でキャリアを積んでから韓国で転職
するか、あるいは、日本の会社に就職して、韓国の支社に異動した方が
有利だと考えました。」