お粗末なエントリーシート添削指導

学校の就職課やキャリアセンターで、エントリーシートを添削してもらったり、プロの相談員
から有料で指導をしてもらったりする就活生がいます。

エントリーシートの添削指導は当たり前になっていますが、”意味不明”なアドバイスをされて、
混乱してしまう場合を良く見かけます。
先日もこんな相談にやって来る学生さんがいました。

①『最も頑張ったこと』は必ず仕事に活かせることで締めくくりなさいとアドバイスされましたが、
何を書けば良いですか?
②『強みや長所』のエピソードは挫折や失敗でなく、成功体験を書きなさいと指摘されました
が見当たりません。どうしたら良いですか?
③『特技や趣味』は資格や表彰を書きなさいと言われましたが、何もないので困っています。

そもそも、学生の書いたわずか数行の内容だけ見て、添削指導をするよう人がいたら、私は、
それ
自体信用できないと言っています。なぜなら、文字になっていないところに、この人の特性
や志向性、想いや価値観など、訴えるべき点が埋もれていることがあるからです。

したがって、私はいきなりエントリーシートは書かせません。
最初に与えられた設問について、とことん話をしてもらいます。そして、いろいろなアングルから
質問を浴びせます。自分の気持ちや考えを吐き出していくうちに、本当に言いたいことが浮き
彫りになってきます。
次のステップは、今、話した内容を”文字”で伝えてもらうことです。ただし、”文字”と言っても、
話し言葉で書いても構いませんし、文字数はまったく問いません。
“文字”にして、キーワードやフレーズを見つけ出していきます。そして、余分な言い回しや二重
の表現を削除していきます。すると文章が洗練されていきます。

こうしたやり取りを通じて、初めて「では、何文字で収めてみましょう」「何行に書いてみましょう」
と”文字”を書く段階に移っていきます。
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で、先ほどの相談の回答です。
①仕事の内容を理解していないのに活かせることなど書けませんよ。今の段階でそこまで書く必要などありません。仕事のイメージが固まってから書けば良いですよ。
②「失敗は成功のもと」「挫折から教訓を学ぶ」と言うように、失敗や挫折体験から今の自分が形成されたのなら、そのエピソードを使うのはまったく問題ありませんよ。
③特技や趣味を聞くのも人柄を知るため。「ラーメン巡り」「デパ地下の試食」と書けば、食べる
ことが大好きなあなたが伝わります。応募先が食品メーカーやフードサービス企業なら、「会って
みたい」と思うはずです。

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