静岡県内の就職内定率

この度、静岡労働局が10月末時点における就職内定率(2016年3月卒)を発表しました。
結果は次の通りです。

・大学(静岡県内13校)   58.3%(前年同期比 ▲3.1ポイント)
・短大(静岡県内6校)    46.1%(前年同期比 +1.5ポイント)
・専門(静岡県内15校)   67.2%(前年同期比 +6.6ポイント)

これを見れば分かるように、大学生の就職内定率は芳しくありません。

実数で説明することにしましょう。
静岡県内13大学の卒業予定者7,152人のうち就職希望者5,903人います。そのうち内定者
(報告ペース)は3,441人であるため、未だ内定がもらえない大学生は2,462人もいることに
なります。

今年の大卒求人倍率は1.73倍と前年1.61倍より+0.12ポイント上昇ししました。また、全国
の民間企業の求人総数は前年の68.3万人から71.9万人へと3.6万人増加しました。
このように、大学生を取り巻く採用環境は好転しているというのになぜでしょうか。

この理由を簡潔に言えば、たくさんの求人があるにも関わらず、決め切れない大学生
が多い
ためとなります。
つまり、「もっと大手に行きたい」「中小企業では物足りない」といった理由だけで、今も就活
を継続しているのです。

本命の大企業を受験する前に中小企業の選考を受けた学生にとっては、「練習のつもりで」
と安易な気持ちで臨んだ者も少なくないようです。
先に中小企業から内定を得ても、大手企業の選考が控えているせいで、「辞退させてもらい
ます」としたことがアダになっている者も見受けられます。

今年度、企業の選考開始が4ヶ月繰り下がり、8月1日解禁となった就職スケジュール変更
の弊害がここにも表れています。S__6283278[1]

“キャリア大学”の活動に注目です!!

大学設置基準の改正により、2011年4月から大学の教育課程に「キャリア教育」を盛り込む
ことが義務化されました。
それ以来、「キャリアガイダンス」なる授業がすべての大学、短大で行われています。

しかし、実態はどうでしょうか。
エントリーシートの書き方、面接の受け答え方という就職対策だったり、業界研究と称して、
特定の会社を呼んで、企業PRに終始したり、ひどいところでは、お辞儀や化粧の仕方など
のハウツーものであったりと、とても「キャリア教育」と言うに及ばない授業が多く見られます。

そんな中、“キャリア大学”(※)の活動に注目が集まっています。
これは、特定非営利活動法人キャリアクルーズが運営母体となり、2013年4月、企業と連携
した形で、サービスがスタートしました。その設立趣旨がこうです。

「Design Yourself」は失敗を恐れず、様々な事に挑戦し、主体的に自分の人生を
切り拓く
生き方、自分自身で人生をデザインする生き方を表しています。
そういった主体的な「生き方」こそが人生に彩りを与えるもの、そして夢のある社会
を創る
事につながると信じ、私たちは「キャリア大学」を設立しました。

さらに松本代表はこう言っています。

(略)だからこそ、私たちは大学1年生に「キャリア教育」を提供する「キャリア大学」
を創り
ました。「キャリア教育」とは何か。私たちが考える「キャリア教育」とは、特定
の企業や業界に的を
絞った就業体験ではなく、もっと前段階のものとして、就業体験
を通じてさまざまな業界を
知り、「キャリア観」を醸成するための教育です。

p2013apr26a[1]私は当初から大学がそれぞれ個別にキャリア教育を実施することはないと主張しています。
そのため、
『大学の垣根を超えてキャリア教育を実践する場を設ける』
『その担い手は大学でなく
企業である』との持論を有しています。

その意味で、このキャリア大学の取り組みは、大いに関心があり、見習う点が多々あります。

※↓に”キャリア大学”について、常見陽平さんがレポートしています。
⇒こちらから