業界研究やってます

最近、徐々に大学3年生の学生さんが指導を受けに来るようになっています。しかし、決して、エントリーシート添削や面接指導などしていません。なぜなら、この時期、やってほしいことは業界研究だからです。

では、何をしているか? 具体的に紹介します。

まず、「どんな業界があるか見てみましょう」と業界地図を眺めるところから始まります。
そもそも”業界”は同じような事業をしている会社の集まりのこと。例えば一口に「金融業界」と言っても、銀行、生保、損保、証券、リースなど、いろいろあります。そのため、業界のくくり方を確認してから、「どの業界に関心がありますか?」と尋ねるようにしています。recruitment_img04[1]

次にやることは、「○○業界について、質問したいことを最低5つ考えてください」。
物流業界に関心のある某大学3年生の男子学生さんがいます。現在、「空運」「海運」「陸運」「倉庫」と業界をグループ分けしたうえで、それぞれ質問を受け付けているところです。
そして、事前に目を通しておいてほしい新聞記事、ニュース、雑誌、関連サイトを紹介します。そのうえで、指導の当日、私がこの質問に解説していくのです。

次に業界にどんな会社があるか調べます。
「○○会社と○○会社では何が違うの?」と比較してみたり、「どうして、○○会社はこんなに儲かっているの?」と強みを分析したりします。

さらにこんな課題も出します。「見学してみたい会社があれば言ってください」。
すべてのリクエストに応えることはできませんが、できる限り叶えるようにしています。
先日もこの男子学生さんを連れて、一緒に東京に出掛けて、某物流企業の倉庫を見学させてもらったり、某総合物流企業の営業部長さんから仕事内容の話を聞いてきました。

こういうステップを辿っていくと、「へぇ~ こんな会社もあったのか!!」「なるほどっ!! だから○○会社は海外にも進出しているんだ」と発見や驚きがあり、楽しく業界研究ができるのです。

それが、次第に応募したい業界や会社を絞り込んでいくことにつながるのです。

悲喜こもごもの内定式

2015年春に入社予定の大学4年生や大学院生らに対する主要企業の採用内定が
10月1日正式に解禁され、全国各地で内定式が開かれました。

採用計画数が確保できず、内定式後もPN2014100101001229.-.-.CI0002[1]引き続き採用活動に取り組む企業もあれば、1ヶ月時期を遅らせて、内定式を実施することを決定した企業もあれば、内定式そのものを取り止めた企業もあるなど、悲喜こもごもです。

某人材会社によると、9月1日時点の内定率が78.1%に対して、7月1日時点では49.6%とのこと。
わずか2ヶ月余りで、内定率が30ポイント近くも跳ね上がったのは、就職スケジュール
を守った経団連企業が、8月1日の選考解禁後に一気に内定を出したためです。

しかし、こんなに短期間で選考が終了したとは考えられません。
実は選考解禁前に「面談会」、「座談会」と称して、企業は学生と接触していたのです。
また、「『内定(内々定)』はもらっていませんが、『合格』と言われました」という話を多くの
学生さんから聞くように、いつでも内定を出せる状態で、解禁日を迎えたのも事実です。

割りを食っているのが中小企業や地方企業。
例年なら、大企業の採用がひと段落してから、中小企業、地方企業が採用活動をスタート
するものの、今年はその逆の日程になったため、内定辞退者が続出しているからです。

静岡県では、8月1日以降も採用活動を継続している企業が約8割あるとか。実際、大手、
名門企業であっても、秋採用を募集したり、一度、不採用になった学生に連絡を入れたり
している企業も見受けられます。

学生にとっても、企業にとっても”長い就活”はもうしばらく続きそうです。