内定承諾の辞退の仕方

『内定承諾書』(『入社承諾書』という言い方をする会社もあります)には、企業が「選考を合格
しましたので、うちの会社に来てください」
という意思を書面として表す意味と「他の会社には
行かないように」と学生を拘束する意味の
2つがあります。080516[1]

この時期、内定をもらった学生さんは「『内定承諾書』を○○までに提出してください」と言われています。
でも、就活を継続したい方から、「これは出さなきゃいけない書類ですか?」「一度提出したら、その会社に絶対に行かなければならないのですか?」などの
質問を受けます。
この質問にお答えする前に、『内定承諾書』の持つ効力について説明します。
結論から言えば、『内定承諾書』には法的効力はありません。あくまで『内定承諾書』は先に
述べたように、企業と学生が取り交わした”約束事”に過ぎないため、学生がそれを破ったからといって法的に罰せられる(前科が付く、名前が公表されるなど)ことはありません。

しかし、企業側から損害賠償を求められるケースもないことはありません。
これは、資格取得にかかる費用が膨大であったとか、会社がそれなりの金額を負担して、
海外留学に行かせたなど、実損が明らかに発生した場合、会社が採用予定者に請求を行う
ことができるというものです。
したがって、普通の採用活動に伴う実損(例えば、就職サイトの掲載料、説明会の会場費、
面接に費やした人件費など)などは、損害賠償の対象に該当しません。

そんな事情を知ってか知らないでか、ある企業の『内定承諾書』には「内定を辞退した場合、
これまでにかかる損害を請求いたします」と書かれていたと聞きました。
※これを見た学生は勿論、その親御さんも大学関係者も驚きました。(「脅された」と却って
不安を煽り、結局、内定承諾書を書かずに辞退したそうです。。。)

だからと言って、安易な辞退は困ります。それは人道的な理由からです。
面接で「御社でカンパリますっ!!」と言っておいて、メール1本で「辞退します」と断る学生さん。
本人が電話しないで、親が代わって「うちの子、辞退させますから」と連絡させる学生さん。
これでは、社会人としてやっていけるか心もとないからです。
※これも実際会った話です。あまりに失礼な内定辞退をされた会社は翌年から、その学生の
大学に求人票を送るのを取り辞めました。つまり、本人は良くても”後輩”が割を食うのです。

ですから、私のアドバイスは次のようです。

「最初電話で、お話ししたいことがあると(神妙に)切り出しから、直接会社に出向き、
人事担当者と会って、自分の言葉で辞退を告げる」
⇒結果として電話で済んでも、初めから電話で片付けようとはしないこと。
「謙虚な姿勢でお詫びを述べる」
⇒”詫びる”のは、ここまで”あなた”を採用するのにかけた企業の労力(時間と人とお金)に
対してです。
「(辞退の理由を聞かれたら)正直に答える」
⇒嘘や取り繕いは却って、不誠実!!
「(慰留されても、翻意を促されても)辞退の意志を貫く」
⇒貫けなければ行ってはダメ!!

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