松本日記:「内定者横取りサイト」!?

先日、クローズアップ現代(NHK 19時30分~)「成長への人材戦略」で、
他社の内定を評価基準にして、学生を”横取り”してしまうネットサービスが紹介されました。
その名もずばり「WILD CARD」。

カラクリはこう。
・学生は、サイトに学歴やアピールできる経験と一緒に自分の「内定した会社名」を登録
・経歴の内容は、フェイスブックの情報で認証され、サイト運営会社が確認
・「内定通知書」で、内定を確認
・これらを「WILD CARD」なるサイトに公開
・公開内容は、サイトにアクセスした企業だけが検索
・企業担当者は、ライバル企業や一目置く企業から内定を取れた学生を見て、
「この会社から内定をゲットした学生なら間違いない(優秀な)はず!!」と判断
・サイト運営会社にお願いして、この学生と接触できるようセッティング
・サイト運営会社はこの学生に連絡
・本人同意のもと、企業と学生が面談

因みに料金はすべて企業負担。
成功報酬型で、学生1人が採用されれば、
登録企業が約90万円をサイト運営会社に支払うことになっています。

学生は完全無料で、自由に内定先を乗り換えられるわけですので、何の”損”もありません。

現在、約3,000人の内定学生が登録しているというのですから、
バカにならないビジネスです。

この特集を見て、「新卒採用もここまで来たか・・・」と思わず絶句しました。
企業の一人あたりにかける採用コストは、約100万円と言われているので、
それに比べれば、リーズナブルかも知れません。

しかし、内定が取れた学生だけを相手にして、
しかも、他社から横取りするとは・・・。
いかがなものでしょうか。

私は、このような”楽した就活”は薦めません。
なぜなら、こうした経験をして、
“旨み”を知ってしまうと、学生さんの中には、image140905-thumb-100x154
「世の中、こんなもんだ」と高をくくったり、
舐めたりする方が出るからです。

「誠実に取り組む」「対面を重視する」
これがビジネスの基本です。就活も同様ですよ。