「動画」によるエントリーは普及するか!?

「応募はエントリーシートでなくても構いません。動画でOKです」
こんな会社があったら学生さんはどう思うでしょうか?

昨年末、開設された動画就活サイト”レクミー”には、
約100社の企業、約1千人の学生の登録があったとのこと。
1枚のエントリーシートを書き上げるのに四苦八苦している学生さんにとっては、耳よりの話かも知れません。

「自分撮りした動画」は1分程度とか。仕組みはこうです。

・企業がテーマを出す。(※はLINEが実際に出した課題)
・学生はスマートフォンやパソコン内蔵カメラを使って、
そのテーマに即した動画を撮影する。
・それを”レクミー”に投稿する。
・企業は「会ってみたい」学生に連絡して、面接に呼ぶ。

※LINEの課題
「2020年」「インターネット」「わたし」の3つのキーワードをもとに、2020年の状況を想像して、そのお考えを述べてください。(45秒前後)

膨大な数のエントリーシートが届き、
それを読むのに大変な思いをしている採用担当者には、
「動画は効率的」「動画だと学生の素が分かる」と好評のようです。

しかし、わずか1分の動画で、面接に呼ぶ・呼ばないを判断して良いものか疑問が残ります。

なぜなら、「動画エントリー」は、飲食店のアルバイトを採用する場合なら、
それなりに理解できますが(文字では伝わらない部分が合格基準になることが多いため)、正社員として新卒を採用しようとするには、
どうも手を抜き過ぎている感が否めないからです。

1分ではコミュニケーション力は見抜けないでしょう。
(せいぜい、プレゼンテーション力)

今の学生は、面接で、深く質問をされたり、
ちょっと視点を変えて聞き直されたりすると、しどろもどろになってしまいます。

140文字のTwitterやLINEのスタンプで、
言いたいことを一方的に伝えることはできても、
文字や言葉を使って、相手と感情を共有しながら、
論理的に伝えるスキルは低下しています。
動画エントリー
こうした「動画エントリー」が普及すれば、
企業は「コミュニケーション力」を
選考基準から外した方が良いと思います。